社会科などではよく使用されているのが日本の「7地方区分」とか「8地方区分」というものだが、実は法令等での拘束や完全な定義は無く、通例・慣用・一般的に使用されているもの。
基礎ともなるこの「7地方区分」とか「8地方区分」を地図化して解説する。
下段でも紹介するが内閣府の白書「地域の経済2016」を例に挙げると、大きくA~Cと用法を分けそれぞれ10~11に区分し各県の入れ替えが行われていたりする。
つまり区分するための目的、視点、学会や研究の分野等によって、使用する地域区分や定義付けは別途行われているのが実情。
地域と地方は似た用語だが、使用に関しては心情的にも思うところがある人も多いかもしれない。
意味としては広さを基準に地方>地域ではあるけれど、逆の使用例も見られる。
地方という言葉自体に「いなか」といった印象も強く、大辞泉では「首都などの大都市に対してそれ以外の土地」と記す。
また内閣府による「まち・ひと・しごと創生総合戦略2018年改訂版」にても、東京圏(東京23区在住者又は23区への通勤者)以外を地方と表現し、地域とは区分した使用をしている。
基本として慣用句として使う以外は、意識して地方と地域を使っていこうと考えている。
日本を七か八、それ以上の地域に区分する
TVや教科書などで一般的に使用されている都道府県の区分が以下の8通り。
1 北海道
2 東北(青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島)
3 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川)
4 東海(新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知)
5 近畿(滋賀、三重、京都、大阪、奈良、和歌山、兵庫)
6 中国(鳥取、島根、岡山、広島、山口)
7 四国(徳島、香川、愛媛、高知)
8 九州(福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄)
八地域区分
上記のままに北海道、東北、関東、東海、近畿、中国、四国、九州と分けたのが所謂「八地方区分」や「八地域区分」と呼ばれるもので、以下に地図を掲載しておく。
七地域区分
「八地域区分」のうち中国と四国を一纏めに『中国・四国』もしくは『中・四国』と表現するのが「七地方区分」や「七地域区分」と呼ばれるもので、以下に地図を掲載しておく。
内閣府の白書に使用された地域区分
7~8以上に細かく分類された実例が内閣府の白書「地域の経済2016」で使用された地域区分を参考までに以下に紹介しておく。
地域区分A
11地域分類
1 北海道
2 東北(青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島、新潟)
3 北関東(茨城、栃木、群馬、山梨、長野)
4 南関東(埼玉、千葉、東京、神奈川)
5 東海(静岡、岐阜、愛知、三重)
6 北陸(富山、石川、福井)
7 近畿(滋賀、京都、奈良、和歌山、大阪、兵庫)
8 中国(鳥取、島根、岡山、広島、山口)
9 四国(徳島、香川、愛媛、高知)
10 九州(福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島)
11 沖縄
10地域分類
1 北海道
2 東北
3 関東(南北関東)
4 東海
5 北陸
6 近畿
7 中国
8 四国
9 九州
10 沖縄
※11地域分類から南北関東を関東に一括。
地域区分B
1 北海道
2 東北(青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島)
3 関東(茨城、栃木、群馬、山梨、長野、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、静岡)
4 東海(岐阜、愛知、三重)
5 北陸(富山、石川)
6 近畿(滋賀、京都、奈良、和歌山、大阪、兵庫、福井)
7 中国(鳥取、島根、岡山、広島、山口)
8 四国(徳島、香川、愛媛、高知)
9 九州(福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島)
10 沖縄
地域区分Aの10地域分類からで新潟、静岡は関東とし、福井は近畿として区分。
地域区分C
北海道
東北 (青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島)
北関東 (茨城、栃木、群馬、山梨、長野)
南関東 (埼玉、千葉、東京、神奈川)
東海 (静岡、岐阜、愛知、三重)
北陸 (新潟、富山、石川、福井)
近畿 (滋賀、京都、奈良、和歌山、大阪、兵庫)
中国 (鳥取、島根、岡山、広島、山口)
四国 (徳島、香川、愛媛、高知)
九州 (福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島)
沖縄
それぞれの報告に合うよう、地域区分したもので記しているのが分かると思う。